食レポ・とあるコッツウォルズのパブレストランにて。(棟方 康之)
素朴ながらも一工夫された味!!
コッツウォルズのとある小さな村にある一件のパブ。そこは、ほとんどが地元の人々が集まる、地元民の憩いの場として存在しているようなカントリーパブです。
メニューを広げたときに、今一魅かれる感じがなかったラインアップ。「んーなんか・・・なぁ~」と思いながら、店員さんを呼びました。しかし、店の店員さん、自信満々。「これ、おススメよ!!」「本当においしいんだから!!」と言われ、頼んだメニューは以下の通り。
前菜:
スコッチエッグ。イギリスの伝統料理で、大衆的な物。シンプルな盛り付けだが、どことなく可愛い感じ。中を開けたら半熟!!口に運ぶと半熟特有なクリーミーさと濃厚さ、そこに巧く揚がったサクサク感!!メニューを見た感じでは、あまりピント来なかったこの店のラインアップ。しかし、実際食べたら、こりゃ~、美味い!!一気にテンションがあがりましたよ。
コロッケ。これも大衆的。イギリス伝統のフィッシュケーキ?しかしながらナイフを入れると少し違う感じ。中には、白身魚の白身を裏ごししたような、濃厚なクリーミーさと魚感も強く出ていました。もちろん衣もサクッと実に香ばしい。これも美味い!!
サラダです。いろいろな野菜に、ブラックプディング(イギリス伝統の食材。豚の血のソーセージ)とアッシュチーズ(灰をまぶして熟成させたチーズ)でアクセントを出し、ドレッシングはあまり主張させないようにウォータードレッシングが掛けてありました。野菜が新鮮だったので、素材を生かした感じです。ヤムヤム
メインディッシュ:
白身魚のキッパーと香草であえたパスタに春野菜。一件庶民的で、ちょっと乱雑な感じでしたが、これまた美味!!んー見た目では判断できない。しっかりとしたコンビネーションというべきなのでしょうか?素朴感も感じ、実に田舎間を感じさせてくれます。
ハーブバターソースの牛のひれ肉。イギリスの肉は、赤身が強い肉。しかしながら硬くなく肉本来の味がおいしく味わえる。(アンガス牛やヘレフォード牛を代表として)それをハーブバターでシンプルに頂きます。これも肉本来の素材を生かした感じの味付け。
デザート:
ルーハーブ(蕗の薹の食感のイギリスの野菜、日本人の方々には馴染みが薄いかもしれません)のゼリーとシャーベット、そのままのルーハーブにクッキーを砕いた物をいれ、バニラソースに載せたもの。ルーハーブの酸味とクッキーのバニラソースの甘みとまろやかさ、触感も、ゼリーのプルプル感、シャーベットのザラっととろける感じ、ルーハーブのシャキシャキ感、クッキーのサクサク感が混じって、実にいいコンビネーション。ちなみに、イギリスのデザートは、一つのものを口に運ぶのではなく、いろいろな種類の物を、一度に口に入れると本当のおいしさが解ります。
ここは、庶民的・田舎的でありながら、どこか隠れている所に工夫がされている・・・その演出により、素朴の中に深みを感じる味・・・正にイギリス本来の魅力そのものを表現した感じではないでしょうか?
大変おいしゅうございました^^ご馳走様!!